2012年3月18日日曜日

日経平均は死んだ




日本経済は落ち目でもうダメだと思っていたのだが、この本を読んでそうでもないかもしれないと思うようになった。

過去20年間、日経平均はまったく振るわなかったが(4万円弱くらいから1万円前後まで約4分の1に落ちた)、著者によると、その一方で成長企業もたくさんあると言う。たとえば、2000年以降に株価が5倍になった株は783銘柄、10倍になった株は278銘柄もあるらしい。

2001年9月末の日経平均は9775円、10年後の2011年9月末は8700円で、約1000円下がっている。ところが全上場企業のうち株価が上がった企業の割合を見てみると57%もある。どういうことかというと、2001年時点で時価総額3000億円以上の大型株のうち上がったのが44%しかないが3000億円未満の中小株は58%が上昇しており、要するに日経平均を構成するような大企業が振るわず、そうでない企業が価値を上げているということらしい。

上場企業の多くは長引く景気低迷のもとで身を削るようにして製品やサービスのクオリティを上げ、強い企業体質になっている一方、旧態依然たる古い体質の大企業も残っている。日経平均やTOPIXに連動した投信やETFを買うということは、成長する新興企業を顧みず劣化した大企業に投資することと同じであり、パフォーマンスが期待できないだけでなく、そもそも社会的にも損失だということだ。

言われてみればそのとおりで、古い大企業がダメというのは日々感じていたのだが、それを日経平均と結びつけて考えたことはなかった。今や劣化した大企業の指数と化したインデックスファンドを買うのは確かに考えものかもしれない。

しかしこの本にも書いてあるが、最近つくづく感じるのは、ここ20年で経済は見かけ上は低迷していたが、生活は本当に便利で安くなったということ。昔はスーパーの安物まるだしの服でも2、3千円したし、マズい食い物屋とかも普通にあったが、最近はそういう店が本当になくなった。値段が安くても品質はしっかりしているし、100円ショップなんかでも何が買えないのかわからないほど何でもある。時給800円で1日(8時間)バイトすれば、帰り道にDVD再生機を5000円で買い、残りのお金でポップコーンとスタバのコーヒーを買い、レンタルビデオを借りて家でゆっくり映画が見れる。給料が増えないし、物価もゆっくり下がってきたので見過ごされているが、実際には本当にゆたかになっているのだ。日本もまだ捨てたものでないのかもしれない(少なくとも一部は)。