2008年7月20日日曜日

中国 IT開発エンジニアの悲哀④

の続き)

第6の道:起業する
ははは、このタイトルを見て瞳孔が広がりましたね。あなたはきっと会社設立を幾度となく考えたことがあるはずです。ははは、私も開発に従事していたころ、毎日起業することを夢見ていました。2、3年したら機会を見つけて自分で起業する、といつも夢想していましたが、そうした夢は人を苦しめると同時に、また希望をもたらすものでもあります。ちょっと見てみましょう。開発から起業した人は結構多いものです。その中には、成功した人もいれば失敗した人もいます。起業するときはふつうは何人かの仲間で始めるものです。技術担当や営業担当などが意気投合し、またグルになって、そうした一大プロジェクトを共同で画策するのです。一般的に、こうした人たちに最初の一歩を踏み出す決断をさせるような場合、製品は間違いなく先進的であり、ときには国内唯一であることもあります。マーケットも大きく、営業マンはたいてい胸を叩いて必ず売れると請け合い、それからこっそりと、どこそこのエラい人が妻の弟の同級生の叔父さんだから絶対大丈夫、と耳打ちします。そこで彼らは場所を探し、登記を済ませ、中古の机を購い、数台のコンピュータを手配し、さらに各人が数万元の現金を工面してきて、さあ営業開始です!

製品はあっというまに出来上がり、営業マンたちも期待に背かず、何人かの顧客が試用を申し込んできて、見たところ一切が順調に進みます・・・あなたは社長の札のついた席に座っている。人が入れ替わり立ち替わり業務報告にやって来て、あなたに書類のサインを求める。慌しく人が出入りする中で、あなたは「会社がどんなに窮地に陥っても椅子が1個ということはありえない」という例の話を思い出し・・・そんな夢想の中で思わず笑い声を漏らしてしまいます。ことほどさように順調なのですが、すぐに注文書がやってきて、当初掻き集めたお金では足りなくなります。それでも、あなたがたは喜んで各自追加資金を投入します。お金を出すとき、あなたはお金を数えながら目に涙をためて言うのです、「これがそのうちきっと利益を生んでくれるさ」と。開発した製品は確かに優れていましたし、営業の販売成績も良く、顧客もだんだんと増えて、また注文書も次々にやって来ます。毎日が高揚した気分にある中で、唯一問題なのは、顧客の支払いがいつも遅れがちなことですが、彼らはあと2、3日、あと2、3日したらすぐ払う、と請合うのです。代金回収はいつでも予定通りに行かないので、キャッシュフローを滞らせないために、またもやお金を工面します。この頃には一抹の不安が心の中に芽生えてきます。というのも、あなたの預金通帳がそろそろカラになりつつあるからです。「大丈夫、2、3ヶ月して代金を回収すれば、すべて問題解決だ。起業するのに何の苦労もしなかったなんて人はいない」 そう自分に言い聞かせて、またも仕事に舞い戻ります。資金はいつも代金回収と製造経営費用との橋渡しをする細く頼りない丸木橋のようで、帳簿上はいつもカツカツ、会社の規模の拡大や予期せぬ事態の発生のため、1度ならず2度、3度と共同経営者と自分の資金を投入し、その後はたぶん借りて来たお金で賄っていることでしょう・・・

そしてついにある日、会計担当がまたもあなたにこう言ってくるのです。「社長、現金が底を尽きました」 何度も苦い経験をしたあなたは、ついにキャッシュフローを見直すことを決心します。不要な人員を整理し、開発に投入する人数を減らし、営業が契約を締結するときは必ず代金のXX%を前払いし、割戻しも代金を受け取ったあとに支払うようにし、それと同時に製品の製造コストの管理も始めます。時は1日また1日と過ぎて行き、競争相手の製品もあなたの会社の製品のコピー品を作ったりして、自社の製品がだんだんとかつてほど先進的ではなくなり、営業部員も契約時の支払いに関する規定が厳格すぎてなかなか契約が取れない、と不平を言い始めます。製造コストの低減もまた通常バグの増加を引き起こし、顧客からも貴社のサービス要員は対応が遅いという不満が聞かれ始めます。

とうとうある日、あなたは改めて職業紹介センターに赴きます。前に来たときは人員募集に来たのですが、今回は自分の履歴書を携えて仕事を探し始めるのです・・・会社が成功するかどうかは、製品や販売が関係しますが、それよりももっと重要なのは資金と関係があるということです。製品と販売は資金を通じて補強できますが、何をもってしても資金には替えられないのです。つぶれる会社のうち、およそ99%は運転資金の枯渇と関係しています。起業を決断する前に、まず会社が必要とする1年分の資金の額を見積もりましょう。これには、人件費、製造費、場所代、広告宣伝費、営業費用が含まれ、さらに電気代、水道代等々・・・思いつく限りすべての費用を積み上げ、得られた数字がつまりは・・・あ、ちょっと待って・・・実際に起業した経験がないなら、この数にさらに3を掛ける必要があります。そうして出てきた金額が起業後1年間で最低限必要な費用です。ハハ、実際に会社運営に必要な費用は想像の3倍以上ですが、私の話を信じなくってもこればかりはどうにもなりません。

ささやかな提案:
起業以前で最も重要なことは、まず後の資金源を確保しておくことです! 言い換えれば、資金不足に陥ったらどうするかということ――なぜならあなたの自己資金だけでは絶対に足りないからです。

第7の道:副業
この類型に属する友人は数多くいますが、彼らは開発職から離れてはいません。ただし、勤務時間外にも絶えず仕事を請けたり、製品を販売したりしています。会社ではそれほど目立った存在ではありませんが、他の人から言わせれば、彼らはもっとも残業を嫌う人たちです。このため彼らは一般的に、日中熱心に仕事をします。この種の人たちは必ずしも稼ぎが多いわけではありませんが、平均すれば同僚と比べて1年で数万元ほど多く稼いでいますし、ときには会社の給料よりももっと稼いでいることもあります。ただどことなく怪しげなのは、この人たちは生活の安定を特に重要視していて、基本的に転職などはしないことです。たとえ陰ですでに小さな会社を立ち上げていたとしても、ふつうは会社を辞めたりはしません。

あなたの周囲にこうした人はいますか?この種の人たちを見分けるのは簡単です。彼らは電話することが多く、しかも電話するときは仕事場から離れて、人のいない片隅で話をしようとします。どこか謎めいていて、「こいつ女でも囲ってるんじゃないの?」といった感じがするのです。またこの人たちは女性にとって最適の結婚相手です。家庭的で、どこかの金持ち連中のように浮気などせず、収入もふつうの人と比べてかなり高めです。但し、この種の開発職の友人を見た限りで言えば、ちょっとがっかりするような結論に至ります。つまり、この種の人たちはたいてい背が低く、ビア樽みたいな体型なのです・・・

ささやかな提案:これはたぶん、開発者にとって一番良い道ですが、比較的高い収入があると、人は一般的にリスクを冒したくなくなります・・・これまでのところ、私の知る範囲では、この種の人たちで本当に成功したと言える人は1人もいません。

というわけで、自分がたまたま経験しただけのことでは、内容のある話などとてもできませんし、また自慢できるほど成功しているわけでもありませんが、ただ他の人たちよりも多少なりとも馬齢を重ねているため、これまでに少しは多くの人を見てきたはずです。そういうわけで、あえてこのような文章を書き、貴殿を笑わせてみました。以下は、たまさか開発という道を歩んできて、その経験から得られたちょっとした心得です。別に読まなくてもいいですが、読んだとしても決して驚かないでください。

1. 宮仕えであれ自分の事業であれ、全身全霊で仕事に打ち込むこと。どんな仕事であれ、それで人生における手札が1つ増えるのですから、これは何よりも一番重要なのです!そうした例を、私は少なくとも2つ挙げられます。かつて優秀な開発者が別の新会社に引き抜かれ、さらに多少の株まで与えられて新会社の株主になった例があります。当時、彼と同じ部門で同時期に、あるいはもっと先に仕事を始めた人が大勢いましたが、彼らは常日頃から暇を見ては仕事をサボり、手が抜けるところは手を抜き、ときには日頃熱心に仕事をしている人をバカだと嘲っていました。数年後、バカだったのは一体どっちだったんでしょうか?

2. もっと営業部門の人たちと付き合いましょう。彼らと付き合うと、彼らは自分より知識で劣り、ひどいときには教養がないときっと思うことでしょう。それにたぶん、あなたより女好きです。でも実のところ、彼らはあなたよりも世間というものを知っているのです! 彼らの世界に入って行って、彼らと一緒に賭け事をし、雑談し、サウナに行き、・・・彼らとの付き合いを通じてまた別の世界に触れられるのです。

インターネットまたはその他の場所で本職の仕事以外で何かプロジェクトや製品開発に参加する機会があったら(友達に引っぱられて何かちょっとした商売をするような、開発ではない仕事も含む)、たとえそれがお手伝いのような性質のものでも、積極的に参加しましょう。少なくとも多くの人たちと知り合いになれますし、そうすることであなたの人生においても多くのチャンスが得られることでしょう。

                                               ~完~